Dual Heat Sink 自作

マザーボードをFW-6280BXDR/155に換えたのは良いんだけれど、CPU1とCPU2の間がご覧のとおり非常に狭い。ちなみにCPU1が左側のスロットで、CPU2が右側のスロットです。実測でスロット間が40mm程度。通常のCPUとCPUクーラーであれば問題無く(ギリギリだけど)納まるスペースだけど、オーバークロッカーが常用するバカデカイCPUクーラーは収まるはずが無く・・・

よって、CPUクーラーの自作と相成ったわけです。
基本的な考え方は、CPUを空冷で放熱するには大きなヒートシンクが必要で、大きなヒートシンクに多量の風を当ててやればいいわけです。そして大きなヒートシンクに有効にCPUから熱を伝えるためにはCPUと大きなヒートシンクとの間の結合を効率良く行う必要があるのです。

ちなみにPentiumII 333MHzのノーマル状態では、6月の気候で550MHzでWin98起動するも不安定で、安定稼動は525MHzと言う不甲斐のない結果。

問題はTAKA-100Pでもヒートシンクの大きさとして(個人的欲求として)は物足りないのです。ここはアルファシンクを2つ使うしか方法がなさそうです。そこで、結論としてPentium II 333MHzの殻を割って、CPU直に銅板をあて、その銅板にアルファシンクを2つつけることにしたのです。そして、大きな風量を稼ぐために、12cmファンを導入する・・・ ま、論より証拠、百聞は一見にしかず、早速自作に取りかかりましょう。

まずはヒートシンク。Dual CPUで、Dualヒートシンクというわけで、4つ必要なのです。今回購入したのはアルファのヒートシンクで、 と、3種類の高さを頼みました。45mm高×2はCPU1に、40mm高と30mm高はCPU2に取りつけます。これだけでもCPU2がCPU1に比較して放熱性が悪そうですが、致し方ありません。CPU2は「根性」のあるCPUを挿すしかないでしょう。

ちなみに、アルファから届いた包みには箱が2つしか入ってませんでした。アルファとしたことが、もしかしたら2つ忘れちゃったのかしらん・・・

あれ、あれ、と思ったら、1つの箱にヒートシンクが2つ噛み合わされて入っており、クッション材などで丁寧に包装されていました。さすがアルファ。

ちなみにシンクとCPUをねじ止めする際のタッピングビスも同梱されていました。これはシンクとPentiumIIのサーマルプレートをねじ止めするためのもので、このねじでサーマルプレートにねじ穴を切りながら、固定します。

Dualファンを自作する前にとりあえずアルファファンを無改造で取りつけて見ましょう。タッピングビスもあることだし。CPUの殻を割ってしまってはタッピングビスの出番は無いし。

とりあえずはシリコングリスを塗りましょう。私はこのように中央にまとめて塗って・・・

定規のように平らなもので薄く引き伸ばしてからCPUにとりつけるのが好きです。実際は定規ではなく東急ハンズで銅板を買って切断まで頼んだときの切断片を利用して引き伸ばしています。この後は、CPUに密着させ、ぐりぐりと押し付けて余分なグリスが端からはみ出るくらい押し付けて完了です。

CPU1には45mm高のシンクを、CPU2には30mm高のシンクを取りつけてギリギリ収まります。まるで特注。

結果はリテール状態よりかはましなものの、560MHzはWin98起動するも不安定で、550MHzで安定ってとこでした。このときの温度は、
マザーボード28度
CPU131度
CPU239度

であり、CPU2が39度まで上がっていたのにはびっくり!これでも550MHzでWin98が稼動することが不思議!SL2WY Y9030211恐るべし!

さて、お待ちかねのDual Heat Sink自作にとりかかりましょう!

まずはアルファシンクのCPU接触面についているガイドピンをはずしましょう。簡単です。ただペンチで引っこ抜くだけです。一部力の必要なピンがありました。が、力いっぱい引っこ抜けば大丈夫。

左の写真の奥のシンクにガイドピンが刺さっていて、手前のシンクが取り去ったあとです。

さ、お次はCPUです。さくさくっと、CPUを割りましょう。パコパコっとね。

今回用意するCPUはPentium II 333MHz SL2WY(Y9030211-0401)と(Y9030211-0458)です。写真は0458のほうです。

今回用意した銅板は100mm×200mm×5mmのもので、東急ハンズ@新宿で\590でした。2つで\1,180。高いなぁ。

細かい傷はあるし、よく見ると反っているし・・・ ま、あまり細かいことは追求しないことにしましょう。

銅板にシンクを固定するために、シンクにあらかじめ穴あけ用の目印をつけましょう。別に人それぞれだと思いますが、細かく実測して、設計図を書いて作業しても良いんだけど、時間と根気が無い上に、前述したように微妙に反っていたりするので、実際に仮組してマーキングを行いました。

マーキングに使ったのはドライバーセットにあった先のとがったやつです。これをトントンとたたくと銅なので簡単に凹みが付きます。これで十分です。それ専用のマーカーなどあるのですが、そこまでする必要はないでしょう。

さて、ポンチを小さな凹みにあわせて、ドリルでの穴あけの際に目安となるような大きめの凹みを付けます。このポンチは押し付けると内部のバネが働いて自動的に「ガツン」と凹みを付けてくれる便利なものです。

シンクを取りつける穴のポンチが終わったら、今度はCPUをとりつける穴のポンチ作業です。その前に例のマーキングです。なぜ一発でポンチしないのかと言うと、ポンチが太過ぎて穴の中を通せないのです。

マーキング、ポンチは銅板の片側のみにしました。別に貫通させる穴を開けるのだからどっち側でも良かったんだけど、CPUはコア部分だけが接触し、シンクはほとんど全面接触することから穴を開ける側をシンク側としたほうが良さそうです。貫通した側は切りかすなどがあって平面にするのが面倒です。

さて、いよいよドリル作業です。
銅板の厚みが5mm程度あったのと、ドリル作業が今回初めてなので用心しようと、ドリルスタンドまで購入してしまった。でも、ドリルとドリルスタンド合わせて\10kほどで済みました。ドリルは東芝製で無段階回転速度調整、正逆切替付きのものです。ドリルスタンドは\2,980で近くの日曜大工店にありました。アキバで買うと確か\3,500程度したと思います。このドリルスタンドは、40mmか43mm径の「首」(ハンドル・取っ手を取り付けるため?)がついたドリル専用なので、どのドリルでも装着可能と言うわけではありません。

シンクとCPUはそれぞれM3(直径約3mm)のねじで固定するので、穴は直径2.5mmにします。残りの0.5mmはねじ山の分ですね。

手前のハンドルを下に下げるとドリルが垂直に下がっていくと言う便利な仕掛けです。土台部分にはバイスもついていて、穴を開ける材料の固定は万全。このバイスのみでも\2,980は安い!

いよいよドリルでの穴あけ作業です。いくらドリルスタンドがあると言っても、所詮\2,980。1mm程度の「遊び」はあります。CPU固定のためのねじの遊びも1mm程度です。CPUに直付けする銅板の穴あけにはサブmm単位の精度が必要です。

ドリル作業のポイントは、あまり力を入れないことと、潤滑油をこまめに塗ることです。設定した最高回転数よりも極端に遅くなるようだと力の入れ過ぎです。そうすると穴の周りにトゲが出来てしまい、あとあと面倒になります。

Dualなので2枚の銅板の穴あけ作業の完成です。

穴が開いたら今度はねじ山を切りましょう。
ねじ山を切るにはタップと呼ばれる道具を使うのですが、ここで、いきなりトラブル発生!
1つ目の穴にタップでねじ山を切ろうと思ったら途中でタップが折れちゃった!!それほど力を入れていたわけでもなく、ただ、メリメリって音を立てて折れてしまった・・・
折れたタップとタップの先端が詰まった穴(右上)を記念(T_T)に撮っておきました。この後、あまりのショックに寝てしまった(ふて寝)。

翌日速攻で新しいタップを購入してきて、作業再開!!落ち込むのも早いですが、立ち直りも早いので・・・
さて、正しいタップの使用方法です。まず、タップにたっぷりと潤滑油を塗ります(つ、つまんねぇ〜)。

潤滑油は金属加工用の専用潤滑油を買ってきたのですが、CURE 556でも良い、なんて他のホームページに載ってました。ま、念には念を入れて、と。

穴にタップをなるべく垂直を保ちながら時計回りにまわしていきます。穴は当然ながらタップよりも直径が小さいので、最初はするするとタップは回転しますが、次第に手応えを感じます。そしたら半回転したら、1/4回転戻す、を繰り返します。2歩進んで1歩下がる、みたいなもんですね。

ちょうど貫通したところですね。
貫通するまでにかなりの手応えを感じるようになったら、削りかすをいらない歯ブラシで掃除すればよいでしょう。
ゆっくり、ゆっくりと作業しましょう。タップが折れると悲惨です(T_T)

いよいよ、ラストスパートです。いろいろな作業を通じて銅板はかなり傷ついてしまいました。まあ、触ってすべすべするくらいまでサンドペーパーで研磨しましょう。

このサンドペーパーは千石電商のB1で買ったもので、タミヤのプラモデル用のものでした。400番で荒く磨き、仕上げは2000番で磨きました。まあ、すべすべして引っかかりが無くなればOKでしょう。穴あけ部分にバリなどがあるのでそこを重点的に。

研磨するからにはなるべく平らにしたいと思うのが人間のサガ。そこで平らなもの無いかなぁ〜って、家の中をうろついたら使っていないPentium Pro用のヒートシンクがっ!ヒートシンクの裏は平らだろう、ってことでヒートシンクにサンドペーパーを巻きつけて研磨したのでありました。

しかし、研磨作業に入ると人間燃えるものです。とことんまできれいにしてやろう、なんて妙な気合が入ってしまうもので、写真のようにピッカピカになってしましました。

ただ、つるつるも良いんだけど、平らでないと意味が無いんだよね。その点に関しては全く考えていない・・・

ま、研磨作業に飽きたところでCPUに自作サーマルプレート(銅板)を取り付けよう!と意気込んだところ、妙にしっくりこない。なんだか接触が悪そうだ。研磨する際に平面性を考えていなかったからか・・・、などと後悔しながらも光に当ててみるとなんと平らでなのはCPUの表面ではありませんか。

写真では見づらいのですが、手に持っているのが自作サーマルプレートで、その上にCPUを乗っけています。もろに光が隙間から漏れてきているのが分かります。ここはCPUも研磨するしかありません!

と、そのまえに、銅板に刺さったままになっている、折れたタップの先端が気になっている人が大勢いると思います(ど、どこにぃ〜)。

実は取れたんです。折れたタップのまわりに2つばかりドリルで穴を開けて、根気よくポンチでカツカツ穴を広げたら、ポロっと。涙が出るほど嬉しかった(ToT)
実はラッキーなことに、タップを切って試しにねじを挿入してみたらそこそこ締まるではあ〜りませんかっ!ちょっとカッコ悪くなったけど、リカバリー成功!

さて、CPU研磨でしたね。
ヒートシンクの裏を使って研磨する秘技を身に付けてしまった私は、更に大きなヒートシンクを探し、ついに禁断のたかちんファンのシンクに手をつけてしまった!

これが結構いい感じ!サンドペーパーの大きさとピッタリだし、手に持つにもちょうどいい大きさだし。

CPUのほうは余計な部分まで削らないように養生用(緑色)のテープで保護し、コア部分だけを露出させました。

あとはCPUコアの上を撫でるようにそーっとサンドペーパーを移動させるだけ。時折平滑度と平面度をチェックしつつも研磨していき、シルバーだったコアの四隅あたりから銅が見えてきたらストップしました。

サンドペーパーは銅板研磨の時と同じで400番と2000番の2種類のみを使いました。

う〜ん、鏡のよう・・・ ま、ここまでやる必要はないと思いますが・・・

いよいよ最終組み立てです。

まずはCPUを銅板にねじで固定して・・・ 固定には殻割時に外したピンと、田川アルミに頼んだ裸P2用固定パーツを組み合わせました。ねじはアキバのねじ屋さんで調達。

ヒートシンクをねじで止める。このとき穴あけの精度が問われるのですが、ラッキーなことにすべての穴にねじが通りました。1つや2つは結構ギリギリだったのですが、気合を入れて穴あけした苦労が報われたというもの。

2つ目のヒートシンクもねじ止めする。

完成!!!

CPU側から見るとこんな感じです。

これはちなみにCPU2で、CPU1とCPU2をマザーボードに取りつけたら、CPU2の上に取りつけたシンクはCPU1の上に覆い被さるようになります。

実際にマザーボードに装着した図です。ごみごみしていてよく分からんなぁ。ケースの中も整理整頓が必要そうです。

12cmファンをつけたところです。実際は引っ掛けているだけで、固定はされていません。さらに、見てのとおり、ケースのカバーをつけることはできません。完全にスケルトンケースとなってしまっています。

今後はカバーに穴をあけて、そこに12cmファンを固定する予定です。それで、風の向きは吸出しにしていますが、ファンとシンクの周りに簡単なダクトを装着する予定です。ま、あくまでも予定は未定です。

さて、気になる結果ですが、Windows NT 4.0の完全安定稼動は560MHzで、暑くなければ575MHz安定です。温度は、

マザーボード31度
CPU135.5度
CPU235.5度

と、ボード温度プラス4度程度であり、しかもCPU1とCPU2が同じ温度!なぜかは分かりません???
単体では600MHzでのWinNT起動直前までは行くSL2WYなので、もうちょっと頑張ればDual600MHzも夢ではないのだけど、Dualのオーバークロックは大変だぁ。

つづく




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