Vio可変改造


クロックアップする際に、Vio(標準は3.3V)を昇圧するとL2キャッシュ、メモリ、周辺機器等の電圧があがり、安定性が増します。幸いP2B-Fは最初からVioが3.5Vに設定されており、最初からクロックアップ対応となっています。しかし、P2B-FのVio3.5Vはマザーボード上で作られており、電源の改造、カツ入れキットなどで可変にすることはできません。そこで、Vioを作っている場所を探し、固定されている部分を可変化する改造を行います。

なお、本改造はKazさんこと鈴池 和久さんの「パソコン改造 スーパーテクニック」とKazさんのホームページに掲載されていた内容を元に行いました。この本を手元において、これから説明するP2B-Fの基盤レイアウトを参考にすればばっちりです。

まず、Vioを作っている大元のチップは写真の中央に見えるHarris SemiconductorのHIP6019と呼ばれるチップです。写真で見えるように、Slot1、ATX電源コネクタ、シリアル・パラレルコネクタにはさまれた場所にあり、やっかいです(特に林立するコンデンサーがじゃま!)。

ちょうど写真では逆さまに写っていますが、「へこみ」がついているほうが上です。へこみを上にして、左上(写真では右下)のピンが1番で半時計回りにピンの番号がついています。

Vio可変改造でのポイントは、写真にある10番ピンとR89抵抗です。R89を可変抵抗と取り替えることでVioを可変にさせるわけです。R89抵抗は4.6KΩなので、ホームページによっては5KΩの半固定抵抗素子を利用しているみたいですが、ここは教科書どおりBournsの3296(10KΩ:千石電商)を使いました。

まずテスタで確認しましょう。HIP6019の10番ピンとR89抵抗のシリアル・パラレルコネクタ側が導通しているはずです。そしてその反対側はグラウンドと導通しているはずです。グラウンドはどこでもいいですが、間違いが少ないのはシリアル・パラレルコネクタのシールド部分でしょう。テスタのグラウンドはここにクリップ止めしておくと便利です。

ちなみに、グラウンドがクリップ止めされているときについでに基準電圧を測っておきましょう。Slot1の周りに写真のようなレギュレータが多くあります。それらが電圧を安定化させるものですが、フランジと呼ばれる金属板(写真では右端の金属部分)とグラウンドで電圧を測定します。写真には撮っていませんが、2.0V、3.3V(3.5V)、5.0Vが測定できます。これらの測定はCPUが刺さっていなくとも電源を入れれば測定できるので、改造後はCPUを刺さずにここでテストしましょう。

蛇足ですが、作業前と作業後は必ずテスタで導通試験をしましょう。

さて、R89抵抗を基盤から取り外し、リード線を結線しましょう。リード線は色付がよかったから適当なものを使ってしまいましたが、ここは教科書のように0.32mmのジュンフロン線(千石電商)を使いましょう。心線が単線のものを選びましょう。私が使ったのは複数の銅線が束ねてあるより線で、より合わせるのが面倒です。

表面実装されている抵抗は半田ごてで、はんだで固定されている両端を交互に熱していけばある時点でズルッと滑りますのでそこをすかさずピンセットで取り除きます。あまり熱するとボードについている金属(パッド)が剥がれるので手際よくやりましょう。P2B-Fはコンデンサが接近しているので、なるべく半田ごてを立てた状態で作業しましょう。腕が猛烈に疲れますが、我慢我慢。私のコンデンサは角がひとつ焼けてしまいました。

黒い線の先端には熱収縮チューブ(1mm:千石電商)がまかれています。ショートするのを防ぐためのもので、熱した半田ごてを近くに持っていくと収縮します。くどいですが、結線した後も導通試験をしましょう。

さあ、仕上げです。半固定抵抗の2番と3番ピンにリード線を半田付けします。写真の青い素子が半固定抵抗です。金属のねじを回すと1、2番ピン、2、3番ピンの間の抵抗が変わります。抵抗なので極性はありません。どちらのリード線をどちらのピンにつないでも同じです。ただ、2、3番ピンにつなぐと右回しで電圧大、左回しで電圧小となり、都合がよいのです。私の場合はVcore可変改造と同時にやってしまったので汎用基盤を手で割ったものを使って固定しています。この後はシリアル・パラレルコネクタの上にスポンジタイプの両面テープで固定しました。もっとリード線を長くしてケースの外に出そうかとも考えたのですが、引っ掛けて断線することを考えると復旧が面倒くさいので教科書どおりとしました。


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